避妊・去勢手術について
なぜ避妊、去勢手術が必要なのか?
以下病気の予防に繋がります。
男の子
前立腺肥大(犬)、精巣腫瘍(犬)、肛門周囲腺腫瘍(犬)、会陰ヘルニア(犬)の予防
※良性前立腺過形成のリスク
6歳までの未去勢犬で75~80%発生、9歳までで95~100%に発生します。また、命を脅かす他の前立腺疾患にもかかりやすくなります。
女の子
乳腺腫瘍(犬猫)、子宮蓄膿症(犬猫)、膣・子宮・卵巣腫瘍(犬)の予防
※子宮蓄膿症のリスク
未避妊犬では9~10歳超えると25~66%に発生します。猫では犬より発生リスクは少ないです。
これは、ワンちゃん・猫ちゃんが病気になり苦しむリスクを取り除くだけでなく、飼い主様の経済的負担を軽減することにもなります。
避妊・去勢手術をすることで、発情を繰り返すワンちゃん猫ちゃんのストレス防止にも役立ちます。
また、マーキング、発情による鳴き声などの問題行動も押さえることができるので、飼育がしやすくなります。
去勢・避妊手術によるメリット
去勢手術(男の子)のメリット | 避妊手術(女の子)のメリット |
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性行動・攻撃性を減らすことが期待でき、縄張り争いやケンカが少なくなります | 望まない妊娠を防ぐことができます |
マーキング行動(尿をあちこちにかける)が抑えられます(犬) | 発情出血が少なくなります(犬) |
スプレー行動(尿をあちこちに吹き付ける)を抑えられます(猫) | 発情時のわずらわしさ(鳴き声)が軽減されます(猫) |
精巣。前立腺の病気予防になります | 乳腺腫瘍、乳腺の病気、子宮卵巣の病気の予防 |
平均寿命が13.8%上昇します(犬) | 平均寿命が26.3%上昇します(犬) |
去勢・避妊手術によるデメリット
去勢手術(男の子)のデメリット | 避妊手術(女の子)のデメリット |
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全身麻酔のリスク | 全身麻酔のリスク |
肥満になりやすくなる | 肥満になりやすくなる |
まれに被毛の状態が変わる | まれに被毛の状態が変わる |
一部の大型犬種では整形外科疾患、腫瘍性疾患の発生率に影響します | まれに尿道括約筋機能不全による尿失禁が起こる |
去勢・避妊手術によるデメリット
早期に実施することも可能ですが、当院では原則として6ヵ月を目安にお受けしています。
避妊手術については、犬猫いずれも、一定期間内に行うことで、乳腺腫瘍の発症を防ぎやすくなることがわかっています。ただし、犬の場合、あまり早期では将来的に尿失禁を起こすリスクが高くなります。
オスはマーキング(犬)やスプレー(猫)をする前に手術をすることで、それらの癖がつきにくくなるといわれています。
成犬、成猫の場合は、避妊・去勢手術はいつでも可能ですが、犬猫の体力を考えても、より早期に手術を行う方がリスクは低くなります。
メスは発情中の場合、普段より出血が多くなりますので避けてください。
不妊手術による乳腺腫瘍の予防効果
※犬の初回発情は8~12ヵ月齢(大型犬は15~18ヵ月齢)、発情間隔は5~12ヵ月
※乳腺腫瘍のリスク:未避妊犬では23~63%発生 (50%が悪性)
不妊手術による猫の乳がんの予防効果
※乳腺腫瘍のリスク:未避妊猫では犬の半分のリスク(85~93%が悪性、80%が診断時に転移)
避妊・去勢手術の費用
費用は犬・猫、去勢・避妊、体重によって異なります。
また、年齢や抱えている疾患によって、別途検査や処置が必要な場合がございますので、別途費用が発生することがございます。
詳しい価格はお電話または診察の際にご確認ください。
手術には以下費用が含まれます。
- 術前検査(一般身体検査・血液検査・血液生化学検査)
- 胸部レントゲン検査
- 麻酔、鎮痛処置
- 術後投薬
- 入院費1泊(避妊手術の場合)
- エリザベスカラー代(新品使用の場合)